今回からスタンダード曲
『All The Tings You Are』についてのレッスン記事、動画をやっていきたいと思います!
今回は曲の分析をします!
転調が多くて初心者には難しく思うかもしれませんが、セッションなどでも度々、演奏させるので
しっかりとおさえておきましょう!
All The Things You Areのコード分析とセクションごとの転調と仕組み

このセクションでは、曲全体にちりばめられた転調のロジックなどを分析していきます。
特にギタリストにとっては、コード進行に応じたポジションの変更が求められるため、転調の流れを理解しておくことが欠かせませんね。
転調ポイントを正確に把握することで、どこでスケールやボイシングを切り替えるべきかが明確になります。
それでは、4つのセクションごとの転調を具体的に見ていきましょう。
【表:セクション別コード進行と調性】
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小節範囲 | 主なキー | 代表的な進行例 | |
A1 | 1〜8小節 | A♭→C | Fm7→B♭m7→E♭7→A♭maj7→D♭maj7→Dmi7(♭5)→G7→Cmaj7 | |
B | 9〜16小節 | E♭→G | Gm7→Cm7→F7→B♭maj7→D♭maj7→Dmi7(♭5)→G7→Cmaj7 | |
C | 17〜24小節 | G→E→A♭ | Am7→D7→Gmaj7→F♯m7→B7→Emaj7→F7→Fm7 | |
D | 25〜32小節 | A♭〜A♭m | D♭m7→Bdim→F7→Fmi7 |
① Aセクション

まずはA セクションです!
最初の5小節は
key=A♭
6~8小節は
key=C
ですが
Cマイナーの2-5で解決先がCメジャーというこになります
D♭maj7からDmi7(♭5)は
ルートのD♭が半音上がるだけでDmi7(♭5)になります
Dmi7(♭5)をA♭からみると#Ⅳmi7(♭5)ともとれます
② Bセクション

Bセクションです!
最初の5小節は
key=E♭
6~8小節は
key=G
ですが
Gマイナーの2-5で解決先がGメジャーというこになります
あれ、、、
Aセクションと同じじゃないですか??
そうです!
A.Bは全く同じコード進行でkeyがそれぞれ
A♭=C
E♭=G
となります
③ Cセクション

Cセクションです!
最初に4小節は
key=Gの2-5-1
5~7小節
Eマイナーの2-5で
Eメジャーに解決します!
最後の8小節は
次のコードであるFmi7へのセカンダリードミナント
ということで
key=A♭
に戻っているという解釈です!
④ Dセクション

最後のDセクションになります
key=A♭になりますが
6小節のD♭mi7は
Ⅳmi7ということで、
モーダルインターチェンジ
になります!
ですので、正式にはA♭マイナーとなります!
8小節目は
9小節のB♭mi7へのパッシングディミニッシュです!
最後の小節は
トップ(Fmi7)に戻るときのセカンダリードミナントとリレイテッドⅡmi7です!
All The Things You Areをコード分析しての曲全体の概要

「All The Things You Are」は、転調の多さと複雑なコード進行が特徴のスタンダードナンバーです。
ギタリストにとっては、コードの機能や進行を理解するうえで格好の練習素材となりますね。
セクションごとに調性が変化する構造になっているため、まずは全体像を捉えることが上達の近道です。
このセクションでは、イントロからエンディングまでの構成と、主要な進行パターンを確認していきましょう
曲構造とキー進行(イントロ~エンディング)
この曲は大きく「ABCD」という構成になっており、合計36小節の長さを持ちます。
各AセクションとBセクションでは、それぞれ異なるキーが用いられ、C・Dセクションではさらに大胆な転調が登場しますね。
イントロは省略されることも多いですが、テーマはAセクションで提示され、Dセクションで終結へと向かいます。
このように構造が明確なので、どこで転調するのかを視覚的に捉えておくと演奏が安定しますね。
代表的なコード進行パターン
この曲で頻出するのが「ii–V–I」の進行で、A・B・Cセクションの多くにこのパターンが組み込まれています。
例えばAセクションでは「Fm7→B♭m7→E♭7→A♭maj7」、Cセクションでは「Am7→D7→Gmaj7」など、キーが違っても同じ形の進行が現れますね。
さらに、セカンダリードミナントやディミニッシュコードを含む動きもあり、よりジャズらしい響きを演出しています。
これらの進行は、ギターのコードフォームを覚えるうえでもとても役立ちますね。
All The Things You Are に登場するジャズ的ハーモニーの特徴

All The Things You Are は、ジャズに欠かせないテンションや代理コード、モーダルインターチェンジなどが詰まった、まさに“コードの宝箱”のような楽曲です。
ただコードを押さえるだけではなく、「なぜそのコードがそこにあるのか?」を考えることで、演奏にも深みが出ますよ。
ギター演奏においては、コードフォームの拡張やテンションの音色をどう鳴らすかがポイントになります。
ここでは、そんなジャズ的コードの特徴を具体的に紹介していきます。
テンションとセカンダリードミナントの活用
E♭7やG7のようなドミナントコードには、9thや13thといったテンションを積極的に加えてみましょう。
たとえばG7で「13」を入れると、それだけで解決先のCmaj7がより一層引き立つサウンドになりますね。
ギターでは、4弦〜1弦中心に「R・3・b7・13」などのテンション入りコードフォームを覚えると、コンピングが一気に華やかになります。
また、セカンダリードミナントは、その場だけ「一時的にキーを変えてる」と考えるとアドリブにも応用しやすいですね。
サブドミナントマイナーとパッシングディミニッシュ
D♭m7 や Bdim のようなコードは、機能的に「一見外れているようで、実はちゃんと意味がある」コードです。
D♭m7 は A♭メジャーのⅣm7(サブドミナントマイナー)で、トニックに戻る直前に“しっとりした質感”を与える役割を持っていますね。
Bdim は B♭m7 への滑らかな導線として使われることが多く、短3度でディミニッシュを押さえるフォームを覚えると、アプローチコードにも使いやすいです。
このように、コードの響きに「わざと変化球を混ぜる」ことで、演奏全体の深みがぐっと増すのがジャズの魅力ですね。
All The Things You Are を使った効果的な練習方法

分析するだけでは演奏は上達しません。やはり「弾いてこそ理解が深まる」ものですね。
All The Things You Are を練習に活かすコツは、コード進行を「まとまり」で捉えて、それぞれの動きを分解して習得することです。
また、アドリブやバッキング、耳コピに使えるようになるためには、“理論と指板”をセットで理解する必要がありますね。
ここでは、具体的な練習ステップを紹介していきます。
セクション別に分解した実践トレーニング
まずはAセクションの「Fm7→B♭m7→E♭7→A♭maj7」をしっかり覚えて、Bセクションで「同じ進行をキー違いで弾く」練習をしてみましょう。
Cセクションでは「G→E→A♭」と目まぐるしく転調するので、コードトーンだけを順番に追っていく練習がオススメですね。
この時、コード全体ではなく「R・3・7」だけを弾いていくと、耳と指板感覚がしっかり結びつきます。
1日1セクションでもいいので、必ずルート→R・3・7→フルコードという順番で進めていきましょうね。
コード進行を覚えるステップバイステップ練習
コードは「見て→押さえて→聴いて→弾く」プロセスで覚えるのが王道です。
まずはダイアトニックコードの中でよく出てくるフォーム(m7、7、maj7)を、1つのキーで徹底的に弾いてください。
それから、セカンダリードミナント、代理コード、テンションコードを段階的に追加していくと、無理なくスムーズに拡張できますね。
ギターは指板上で“形”を覚える楽器なので、理論と合わせてポジションごとに反復すると定着が早いです。
耳を鍛えるために、コード変化の聴き取りトレーニング
音感トレーニングは、理論よりも“直接プレイに効くスキル”です。
YouTubeやiReal ProなどでAll The Things You Areを流しながら、コードチェンジのタイミングで「次のコードのルート音」を口に出してみてください。
これができるようになると、セッション中でもコードを耳でキャッチしながら演奏できるようになりますね。
さらにレベルアップしたら、ii–V–Iの聴き取りや、ディミニッシュの響きを聴き分ける訓練をしていきましょう。
まとめ

いかがでしたか?
一見、難しくみえますがしっかりとアナライズしてみると
ジャズスタンダードで散見するコード進行ばかりですね!
この曲はシンプルなジャズのコード進行でkeyがコロコロと変わるので
非常に練習になります!
コードトーンがみえてきた方は、その精度をあげる練習になりますので
そういった方は是非、トライしてみてください!!